2016年10月12日水曜日

TRNPの自然派香水・香油・練り香水(2013~2015)

皆さま、こんにちは!お久しぶりでございます。

普段、私は香りが広がってしまうのが嫌なので普段はパルファンか香油かEdPを足元あるいは腰に着るくらいですが、今朝は珍しくとあるEdPを手首に点々と着けました。芳しく、ある時は豪華で、ある時は厳かな、深みのある香料の香りがします。

今朝着けたとある香水というのは「Teone Reinthal Natural Perfume(TRNP)」のEdPで、このテオーネ・ラインタール博士の香りを試した時「やっと見つかった!」と思えたパフューマリーでした。(そのお名前からドイツにルーツのある方かもしれません※)香りは天然素材で作られているそうでアルコール特有のツンとした刺激がなく、穏やかに香ってくれます。(※エストニアとポリネシアのご両親からお生まれになったのだそうです)

その代わりに香水の殆どは限定生産で、在庫が無くなり次第終了する香りが多いです。多い、と書きましたが殆どがそうなので、正しく旬の香りですね。
調香師のラインタール博士にメッセージを送ったところ、直接博士からサンプルについての解説とお返事が来ました。その文面がとても暖かくて素敵で、香りだけじゃなくそのお人柄にも惚れそうです。
このページでは2013年から2015年に発表されたTRNPの香水から、いくつかをご紹介します。



シルヴァナ Sylvana(Oil based Perfume)
フローラル・シプレー

シルヴァナはとても粋なフローラル・シプレー。エジプトのゼラニウム、ベルガモット、ラブダナム、オークモス、パチョリ、ジャスミン・サンバック、クラリー・セージからなる魅惑的な森林地帯である。深い緑のヴェルヴェット、漆黒の髪、ハシバミ色の目、極めて薄く軽く柔らかな翼のあるシルヴァナは原生林を管理する女主人フェイ(フェイとは魔法や自然界で大きな力を発揮するヒューマノイドの神秘的なクリーチャーであり、通常はアネネと昆虫のような短い翼を持つ)で、その中には非常に多様な野生生物の世界がある。

主な香料:
エジプシャンゼラニウム、ベルガモット、ラブダナム、オークモス、パチョリ、ジャスミン・サンバック、クラリセージ

印象:
「あなたこの香り好きかも知れない。シプレーノートの香りを探しているならお勧めしたいわ」と博士からお勧め頂いて(特価だったこともあり)30mlのボトルを購入しました。シルヴァナの材料には私が好きなジャン・カールとポール・ヴァシェの名香ミス・ディオールにも使用された、ジャスミン、ラブダナム、クラリセージ、パチョリ、オークモス、ベルガモットが調合されています。博士の他のフローラルシプレーと比べたら、シルヴァナは大分クラシカルに仕上がっているかもしれません。
全体的な印象としましては、檜風呂様(!)です。ですから、豪華なジャスミンを想像していたらピンと来ないかもしれません。クラリセージとラブダナムの影響でしょうか、檜風呂のあの酸味掛かった木の香り(みたいなもの)がしっとりと漂い、後になってジャスミン茶葉のほのかな香りが滲み出てくるのには、そっと心を掴まれました。
シルヴァナは自己主張しません。最初から最後まで大人しいし静かなのです。何度も試して頂きたいと思えるシプレ。そういった印象を英版の感想に書いています。

The Chypre Floral scent has calm and woody nuances. The silence from Labdanum, Oakmoss and Clary Sage will dignified a person who wore Sylvana, and quiet jasmine will appear later. And this little natural sweetness comes slowly. Exactly, green velvet.



ボッティチェリ Botticelli (EdP) new!
イタリアンスタイルのフローラル・シプレー

「赤い花びらが落ち、情熱は衰える......湿ったリネン、艶出し加工されたベルベットの前に。彼は眼の奥で唐突なルビーの炎の下に青ざめる。イタリアの夏のそよ風、それは天国の息のシルクを拾い上げる......涙と恋人の溜息のように落ちたバラの足跡のごとく遊歩道にたむろし、向こう側へさっそうと歩く......

主な香料:
ベルガモット、レモン、プチグレン、ジャスミン・サンバック、ダマスクローズ、ジュニパー・ベリー、アンブレットシード、パチュリ、オークモス、ラブダヌム、ヴェチバー

印象:
明るくバルサミックな夏向きのシプレ。もう少しオークモスが出ても良かったかな? という気もしましたが、結果オーライです。着けたてはもぎたてのレモンやプチグレンが開放的に花開き、白く芳しいリゾートなジャスミンとダマスクローズが割とすぐに登場します。そのうち不思議とキノコの香りがしてきますが、これはスモーキーなラブダナムや、ムスクとして使用されるアンブレットシードが影響しているのかもしれません。これが良いです。土っぽいヴェチバーやパチュリは極めて地味に活きています。(これも良い)夏のシプレに最適ですし、TRNPのシプレの中ではシルヴァナの次ぐらいに完成度が高いです。

Review
Botticelli is the Italian sunshine or the Mediterranean nymph. Or it might be  the light on the Como Lake surface. All is shine like the natural blue green water. I felt that's bright and balsamic Chypre Floral for spring and summer.
First, when I wear it, freshly Lemon and Petitgrain blossom open, and white Jasmine and damask rose appear soon. It seems a landscape in some lakeside Italian resort. In the meantime, something like a scent of a little mushrooms or freshly milk (it's lovely and kind) comes out, but maybe it might affect by smoky Labdanum with Ambrette. This is very good. It makes me feel rich and sentimental. After that, earthy Vetiver and patchouli become to nice accents in the ground. (This is also good)
It's completeness is high very much. Botticelli is really ideal scent for especially spring and summer.


バタヴィア Batavia(EdP, Oil based Perfume)
スパイシーオリエンタル

南東アジアのうっそうとしたジャングルの暗く神秘的な香り。バタヴィア各瓶の10%が、絶滅のおそれのあるオランウータンを支援します。
(底部に香料が自然な状態で沈んでいることがありますので、使用前にボトルを揺らしてください)

主な香料:
パチュリー、ラブダヌム、ベンゾイン、バニラ・プラニフォリア、ヴェチバー、カルダモン、クローブ

印象:
バタヴィア (Batavia) というのは、現在インドネシアの首都ジャカルタのオランダ植民地時代の名で東インド会社のアジアの拠点でした。元々オランダ自体が古代ローマ時代にその名で呼ばれていたようです。城壁の町にはチャイナタウンがあったそうで、東と西の文化が混じりあう魅力的な町だったのだろうと想像します。
クローブやカルダモンなどの辛味と渋みが効いていながら、ベンゾインやバニラの芳ばしい甘味がベースにあるのでベンゾイン好きの私には御馳走のような香りです。香りは意外にも濃厚ではなく、一歩引いたオリエンタルスパイシーに仕上がっています。
以下、英語版の感想です。

If you feel short on fun only gentle and warm, "Batavia" which has a scent of spicy oriental would become to your best friend. You can enjoy rich and condensed Benzoin and would do experience that it's complemented by woody cloves with spicy cardamom. I became to feeling of an exotic trip while at home...at least, I am. Aalmost people too? Surely!
This balsamic scent always makes us happy from cold season to early spring.


ブロッサム Blossom(Oil based Perfume, EDT, Solid Perfume
オレンジブロッサム・ジャスミン/弾けるホワイトフローラルブーケ

ブロッサムは、オレンジブロッサム、ミモザ、ジャスミン・サンバック、カシミールラベンダーの絶妙な花束です。 花嫁のための完璧な香り――天国の香り!

主な香料:
オレンジブロッサム、ミモザ、ジャスミン・サンバック、カシミールラベンダー

現行版の主な香料:
オレンジブロッサム、ジンジャーリリー、ジャスミンオーリーラム、ガーデニア(ティアレフラワー)、バニラアブソリュート、アミリス、マイソール・サンダルウッド、アンバー・アソシエーション、アトラス・シーダーウッド
※ジンジャーリリーとガーデニアが追加されています。

印象:
初版の感想です。主役はキャプションの通りオレンジブロッサムとジャスミンで、カシミールラベンダーが明快さを与えています。クリアなホワイトフローラルブーケ。



ヤシム YasymOil based Perfume, Eau de Parfums, Unguent
ジャスミン・オリエンタル・アンバー

練香水
ヤシムは、ジャスミン・グランディフロルム、ジャスミン・サンバック、ジャスミン・オーリクラタム、イラン・イラン、ミルラ、オリリス・ルート、トルー・バルサムの「フロリエンタル」アンバーです。甘さと喜びのように多くの栄光の重なりで絶妙なジャスミン。
100%純粋な有機蜜蝋、ホホバオイル、モリンガ種子、有機エクストラバージン麻種子油、分別ヤシ油をブレンドした30gの純粋なパルファンです。

主な香料:
ジャスミン・グランディフロルム、ジャスミン・サンバック、ジャスミン・オーリクラタム、イラン・イラン、ミルラ、オリリス・ルート、トルー・バルサム

印象:
練香水とはいえしっかり香ってくれます。ミルラの濃厚さ、イランイランの優雅さ、数種類のジャスミンの華やかさが見事に溶け合っています。真空の中で主張する白い花ではありますが、くどさは無くてかわいらしいです。(香油やEdPの香りかたは変わってくると思います)

Parfum版
ヤシムはジャスミン・グランディフロム、ジャスミン・サンバック、ジャスミン・オーリクラム、イラン・イラン、ミルラ、アンバー・アコーディオン、手作りブルボン・バニラ、オリス・ルート、トルー・バルサムを特徴とするアラビア風のジャスミン・ブーケです。甘さと喜びのように多くの栄光の層で絶妙なジャスミン。

主な香料:
ジャスミン・グランディフロム、ジャスミン・サンバック、ジャスミン・オーリクラム、イラン・イラン、ミルラ、アンバー・アコード、手作りブルボン・バニラ、オリス・ルート、トルー・バルサム

印象:
香油(パフュームオイル)の印象は、実を言うと練香水とびっくりするほどの違いはありません。それ位、練香水の品質も良いのだろうなと感じます。他の香油に比べて妙にお化粧した香りがしました。恐らく、ジャスミン自体が派手な香りだからなのかもしれませんね。シンプルな分、纏う季節や気温によって化ける香りの系統ですから、春夏秋冬楽しめると思います。


ブラックスプルース Black Spruce(Oil based Perfume, EdP
ダーク・ウッディ・アンバー

ブラックスプルースには、オークモス、ウード、ブラックスプルース、アミリス、サンダルウッド(白檀)、フランキンセンス(乳香)、ローズオットー、ヴェチバー(Ruh Khus)、バーチ・タールが含まれています。間違いなく気弱な人の為ではなく、この信じられないほどの天然香水は長く持続し、壮観です。

主な香料:
ライム、フランキンセンス(乳香)、シベリア産ファーニードル、ブラックスプールス(クロトウヒ)、アミリス、サンダルウッド(白檀)、フランキンセンス(乳香)、ローズオットー、ヴェチバー(Ruh Khus)、バーチ・タール

印象:
英語の感想と同じですが、クリーミーな杉系の香りがお好きな方にお勧めしたい香りです。フランキンセンスと白檀の柔らかさと、ブラックスプールスの力強い材木のような匂いが、ローズに包まれ見事に重なり合います。

This woody deep but airy spread is integrated with nature. Especially it would match to wearing the natural colored clothing with winter season. When I wore the scent for a first time, I felt warmness of Agarwood, softness of Olibanum, deepness of Black Spruce, floaty Sandalwood and a little of dignified rose. Black Spruce strengthens our spirit, slowly gives a sense of satisfaction and quietly enhances vitality. (I used the perfume oil version)



5月の薔薇 May Rose (Oil based Perfume, Solid Perfume
ローズ・シプレー

レモン、アンブレットシード、ティーローズ・アブソリュート、ダマスクローズ、ローズオットー、ローズ・ド・メ、アミリス、エレミ。 真っ直ぐで――ナチュラルで美しいバラのしっかりした香水。 愛の永遠の象徴として、バラは世界の思いやりと優しさを促進する自然な選択である。

主な香料:
レモン、アンブレットシード、ティーローズ・アブソリュート、ダマスクローズ、ローズオットー、ローズ・ド・メ、アミリス、エレミ

印象:
私はこのバラに惚れこんでしまいました(笑)バラ(正確には全てではない)といえば、私は長年ゲランのナエマ(パルファン)を愛用していますが、May Roseと出会ってからは抜群にこちらの使用頻度が増えています。
以下の感想(英)にも書きましたが、その香りは古典的でエレガント。佇まいは穏やかで涼しく、エレミとレモンの自然な酸味がバラに絶妙なスパイスを与えています。ドライダウン後もティーローズとムスク(アンブレットシード)が肌に残り、穏やかで美しい終わり方でした。このさりげない捻りがたまりません。早春の涼しい季節に良く合います。
博士自身も「この香りは古典的なイングリッシュローズで、暑すぎず寒すぎない涼しい気候の中で、雨が多い時に、午後のお茶会の中で、忙しい女性のためのパールを身に着けたフェミニンなスタイル等で着用するのが最適だと思います」と仰っていました。

I became enthralled with this scent. May Rose is gorgeous yet elegant. Elemi and lemons natural acidity will be spices for various roses. After dry-down, musk and tea rose (from Ambrette) stay on my skin, and was still beautiful. This exquisite acidity is lovesome.



野生の花々Fleurs Sauvages Oil based Perfume, EDT
グリーン・ハーブ・フローラル

ハニーサックル、イモーテル、カシミールラベンダー、ブルータンジー、アンブレットシードを含む明るく繊細な甘い緑のハーブ。それは出会う最初の瞬間から、心、身体、魂を捉えるほど美しいもの。ボトルの中の光と生命力。野生の花々は主流の香りとは全く異なるものだが、野生の植物や花の自然な研究に変えてくれるフルーツとハーブの完璧なカクテルである。完全に新鮮で生きている。

主な香料:
ハニーサックル、イモーテル、カシミールラベンダー、ブルータンジー、アンブレットシード

印象:
ラベンダーというと牧歌的なものやフゼアノートを連想しますが、透き通ったラベンダーとハーブの庭の香りがします。カシミールラベンダーの香りかたが、良く知られたツンとするラベンダーとは違うように感じます。系統はフローラルグリーンなのですが、ありそうでない匂いです。ナチュラルで心にも響きます。至福の一時に纏って頂きたいです。

It can't say simply "fresh scent", because it has something wild. Should I say "Fresh and verdant wild flowers"? Though it has coolness like a rock crystal, is so mild. Fleurs Sauvages may perfect marriage of Honeysuckle and Lavender with Immortelle. I love it.
I've already used half of it in my cute small bottle.


青い蓮 Blue Lotus Oil based Perfume, Eau de Parfums)
アンバー・イランイラン・サンダルウッド

ある夜の美しい晩餐会で、客人はこれまでに経験したよりもたくさんの花を咲かせていた素晴らしいイランイランの木(Cananga Odorata)について話しました。
「何て素晴らしいんでしょう。私がイランイランの木を持っていたら、その花に着色して、素晴らしい香水のベースを作るわ」
私はため息をつきました。
「本当? じゃあ、どうやるの?」
彼らは私に尋ねました。
数ヶ月後、私は非常に木の香りにあふれた素敵な黒チンキ瓶を発表しました。香りのプランは固まりました。美しい青い蓮は、手染めのエジプト産イランイラン、アミリス、アンバーアコード、カルダモン、手染めのブルボン・バニラビーンズ(私に私がこれまでに見た最高のバニラビーンズ2kgを送ってくれたPNGのヴォルフガングと一人の素晴らしい友人に関するもう一つの不思議な話)、アンブレットシード、マイソール産サンダルウッド、もちろん、絶対的な青い蓮の誘惑的な支配を特徴とする強烈にエロチックなスパイシーオリエンタル。

主な香料:
エジプト産イランイラン、アミリス、アンバーアコード、カルダモン、ブルボン・バニラビーンズ、アンブレットシード、マイソール産サンダルウッド、青い蓮


燃えさし Embers Oil based Perfume, Eau de Parfums)
オリエンタル・アンバー

燃えさしはたくさんの珍しい貴重なマイソール産サンダルウッド、手作りのブルボンバニラチンキ、ラブダナム、ベンゾイン、ローズオットー、特別なハーブとスパイスを封じ込めています...。このユニセックスな香水は甘い夢に重みを加えること、涼やかで寒い天候に完璧な「燃えさし」はロマンチックで暖かく、居心地良く、貴方の人生の愛とともに暖炉に寄り添うような、ブリザードが外で猛威をふるっている間にホットチョコレートをすすることに値します。

主な香料:
マイソール産サンダルウッド、手作りのブルボンバニラチンキ、ラブダナム、ベンゾイン、ローズオットー、ハーブ、スパイス



話を戻しますが・・・・・・

成分に関して、ウェブサイトの説明にはこうありました。
「EdPは非常に高い割合(40-50%)の天然香料(天然の精油、アブソリュート、樹脂、手作りのチンキ剤)を含有し、45%の天然穀物エタノールと5%の精製水で希釈しております。軟膏は深い保湿効果のある天然香油を15gmか30gmの蓋付きの丸い容器に入れた固体香水で、非常に高い割合(50%)の有機蜜蝋と香料が配合されております」
「成分の中には小さな割合で皮膚に刺激を引き起こす可能性が確認されている天然植物成分が含まれますので、使用前に皮膚試験を推奨します」
(EdP、EdC、パルファン、練香水の取り扱い)


説明のように、天然素材で作られているもの全てが体質に合うとは限りませんね。(=合成が全部悪だって言ってないですよ~~)天然のものからアレルギー反応が出る場合もありますから、全身にお使いになる前にパッチテストする(ちょっと試してみる)事をお勧めします。

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