2015年4月20日月曜日

Parfums de Nicolaïの香りいろいろ

ニコライ?…ってまさかツァーリの香りか??と誤解したのが出会いでした(汗)それは、パトリシア・ド・ニコライさんがご主人ジャン=ルイ・ミショー(Jean-Louis Michau)さんとともに創設したフランスのパヒューマリー、Parfums de Nicolaï(現在はNicolaï)のこと。個人的に、ゲランさんの次に応援しているパフューマリーです。いつもお世話になっている米国のサイト「Luckyscent」にてサンプルを入手しました。

「ド」が示すように貴族のご出身であり、ゲラン社の創設者ピエール・パスカル・ゲランの血をひいておられ、子供時代はゲラン家の香りの下で育ったというパトリシアさん。将来はゲルリナーデを継承したいと願っておいででしたが、ゲラン家の調香師は代々男性が継いでいたのでそれは叶わず、ご自身のブランドを作られたのだそうです。

 ゲランが一族の手から離れた後、秘伝のゲルリナーデは調香に使われていないそうで、私の香水の先生によると一族最後の調香師ジャン=ポールさんが保管庫にしまったままだという話。新生ゲランを率いるヴァッサー様は、先代をリスペクトしつつ現代的な解釈でゲランの香りを作っておられるので応援したいのですが、ラ・プティット・ローブ・ノワールをあれ程シリーズ化するのはねぇ。材料は有限だし規制も変わるから仕方ないにせよ、ナエマのパルファンを廃盤、ミツコが影も形もなくなるなど……近年の方向性にモニョる(汗)

ゲランのミツコに限った事ではないですよね。皆様もご存知のように、調香を変えることはよくあります。このニコライさんの香りにせよ、TRNPにせよ、Histoires de Parfumsにせよ。だから、その時の調香が気に入ったらボトルで買っておいて!!(後悔しているところ)
そう、旬の野菜のように……個人的にはニコライさんのオンラインショップからの購入をお勧めします。

香りの説明は、なるべくほんわかシンプルに言っていきます。


Odalisque(1989)

オダリスクはニコライさんのラインナップでは古株のロングセラー。鈴蘭のスパークから始まり、豪華なジャスミンが被さるのを、クリアなえぐみのオークモスが支えます。実は知り合いの方から教えて頂き、こちらが初ニコライとなりました。当たり前の顔して渋い趣味している、というキーワードが浮かんできました。ニコライの香りではLe Temps d'une Fête、New York EDT、Number One(Intense)の次に好きです。(個人の感想です)

T:Bergamot, tangerine and citruses
H:Lily-of-the-valley, jasmine, orris root and oakmoss
B:Musk

(2020.5.31)最近ようやく日本国内でも取り扱いが始まりました。



Fig Tea (2007)

EDT。「甘酸っぱいイチジク入りグリーンティ」といった感じで、初夏にパシャッと浴びたい香り。メインはあくまでも茶のほうなので男女兼用できます。これ絶対、日本の方にも好まれそう。

T:fig, osmanthus and artemisia
H:mate, coriander and jasmine
B:guaiac wood and amber(2007)

↓↓↓
T:オスマンサス、オレンジ
H:ジャスミン、ダバナ、コリアンダー
B:マテ茶、ユソウボク、アンバー(2020現在)

(2020.5.31)Nose Shopさんでも取り扱い中です。



Rose Oud (2013)

EdP。バイキリアンのローズウードよりもドライで「落ち着き払った沈香ローズ」といった印象で、湿気の多い日本では男性にもおすすめです。良い香りですが、正直なところローズウードはキリアンの方が好みでした。因みに、ローズウードというタイトルですけどウード寄りです。

T:raspberry, artemisia and osmanthus
H:rose and lily-of-the-valley
B:agarwood (oud), patchouli, sandalwood, vanilla, musk, castoreum and amber.

(2020.5.31)Nose Shopさんでも取り扱い中です。


Kiss Me Tender (EdP)とKiss Me Intense(2014)の感想はこちらへ。
(2020.5.31) IntenseはNose Shopさんでも取り扱い中です。

Sacrebleu(EdT, EdP)の感想はこちらへ。
(2020.5.31) IntenseはNose Shopさんでも取り扱い中です。

Vanille Tonka(EdP)とVanille Intense(EdP)の感想はこちらへ。


Number One Intense(2010)

ナンバーワンアンタンスはニコライさんの最初の香り「ナンバーワン」のIntence版で、1989年に発表された「ナンバーワン」には仏フレグランス協会のベスト・パフューム・クリエーター国際賞金賞(Mouillette d’Or du Prix International du Meilleur Parfumeur)が贈られたそうです。
これぞ、次世代の夜間飛行。温かみのあるガルバナムと酸っぱく辛めのブラックカラントから、控えめなチュベローズとオレンジの花へ移行しますが、ベースの白檀、アンバー、ムスクが最初から顔を出しているので、良い意味でフローラルっぽくないフローラルです。ガルバヌム万歳!とても好き。

T: tagetes, galbanum and black currant
H: jasmine, tuberose, orange blossom, ylang-ylang, rose and black currant leaf
B: sandalwood, musk and amber.

(2020.5.31)Nose Shopさんでも取り扱い中です。


Week-End(2011)

男性的な爽快感のあるフローラルグリーンで「朝露滴るハーブをもぎり取った皮手袋」の匂いに感じました。キャロンが程よい空気間を演出しているんですね。私よりも夫が良い香りだと言っていたので、割と男性が好きな香りの系統かもしれません。

T:タラゴン、バジル、ミント
H:ジャスミン、イランイラン、ガルバヌム、カルダモン、スズラン、青りんご、
  キャロン(或いはカロン Calone)
B:ムスク、バージニアシダー、レザー

(2020.5.31)調香・タイトル共に幾つかの変更がありました。個人的にはWeek-end à Deauvilleが一番好きでした。塩気のあるプチグレンが粒子の荒いガルバヌムに絡み合い、甘み少なく、ハーバルでとらえどころのないシプレーフローラルに仕上がっていました。調香はこちら。
Note: essence of Italian bergamot, petitgrain from Paraguay, galbanum, lily-of-the-valley, rose, mimosa, pepper essence, pink pepper, clove, oakmoss absolute, and styrax balm

現在はWeek-end in Normandy(2018)として販売中。
T:ベルガモット、レモン、ガルバナム、タラゴン、バジル、ミント
H:ジャスミン、イラン、スズラン、カルダモン
B:シダーウッド、オークモス、レザー、ムスク



New York(1989)/New York Intense(2018)

ニューヨークにしてもニューヨークアンタンス(写真)にしても癖になる香りです。着けてみなければ分からないんですよ。癖になったのはルカ・トゥリン様だけじゃない。(本に書いてあった。ルカ様とは「Cotyのエメロードのパルファンが物凄く美しい消え入りだった」という話しかしていない)

比較するなら、ニューヨークは男性向けで、Intence版はそちらに円やかさを合わせてユニセックスにした印象。クリーミーな匂いの持続時間が長く、元々の体臭がこんな感じだったのでは、と思わせるような香りです。ここにもオークモスが絡んでおりますが、ベチバーとクローブとアンバーなど、確かに体臭に良く馴染む素材ばかり。40~50代の背中から漂っていてほしい(笑)
個人的にはEDT版ニューヨークのほうが好み。フォーマルな雰囲気がスーツは勿論、クラシカルな軍服にも抜群に合うに違いありません。ムラムラします。

New York
T:Lemon, Bergamot, Lavender
H:Pepper, Patchouli, Cedarwood, Spices
B:Vanilla, Leather, Amber

New York Intense
T:Lemon, Bergamot, Petitgrain
H:Lavender, Armoise, Red pepper, Black pepper
B:Patchouli, Cedar, Leather, Vanilla

(2020.5.31)Nose Shopさんでも取り扱い中です。



 
左が仏から買ったボトル(2015)右が最近のボトル(2020)

Juste un rêve(1996)

チュ―ベローズがとても好きで、これにココナッツとアプリコットが調合された匂いということで試したくなったのです。香り立ちから南国のムード満載で上記の素材の濃厚さはありますが、決して派手で下品にはならないところがニコライ。ドライダウン後は何となくパウダリーで、エレガントな浮遊感があります。流石にロングラスティング。

香調:Floral Fruity Amber
Top: Coconut, Apricot
Heart: Jasmine, tuberose
Base: Sandalwood, vanilla
2014年の記事より)

Top:Apricot, Coconut
Heart:Jasmine, Ylang-ylang, Tuberose
Heart:Sandalwood, Vanilla
2020年の情報より)

(2020.5.31)Nose Shopさんでも取り扱い中です。
液体の色が随分違うので、多分調香変わったんだと思っていたけれど、調べたらイランイランが足されている。え、それだけ?後日、ノーズショップさんへ行って嗅ぎ比べてみます。

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